A Line in the Sand

2018
Competition Entry for the Winter Stations 2019, Migration

Location:  トロント、カナダ



- コンセプトプラン -
カナダはトロント市の冬の海岸利用を促すパビリオンのコンペティション。今回のテーマは Migration(移動)。ウッドバインビーチは、五大湖の一つ、オンタリオ湖に面する。

A Line in the Sand と名付けた。 英語のフレーズで、 越えるべきでない境界線。隠喩表現として、このフレーズは歴史的な紛争だったり大事な出来事を決定づける時に表現されてきた。古代インド、ローマ帝国、アラモや湾岸戦争の背景にも登場するフレーズだ。

テリトリーや境界線という概念とその歴史の意味を含むと同時に、文字通りその線引き行為が行われた事実がこのフレーズには隠れている。与えられたテーマのMigrationを表現するのに、今日の国際政治のジレンマを表現するのに、ちょうどいい。


- ‘Line’ 形成プロセス - 

- 断面ダイアグラム -

ビーチのライフガードの椅子は、境界線の監視塔に見立てる。その周りに溝を作りアクセントの赤い布で線の存在を視覚的に強調し確立する。赤い線と化した溝は、オンタリオ湖から監視塔の回りを通ってビーチの奥へと進み、そこから流れた湖の水が新たなテリトリー(水たまり・湖)を作る。
(ウッドバインビーチは近年、湖の増水が原因でビーチに大きな水たまりができる現象が起こっている。という背景も。)

溝に流れた湖の水は、凍結することによって訪問者がその上を歩き、赤く染まった境界線を越えられる機会が得られる。
冬の厳しいトロントの砂浜に引かれた線の上を移動することで、A Line in the Sandを体感するランドスケープを提案した。

- ‘Line’ at Woodbine Beach -

- 凍結した ‘Line’ at Woodbine Beach -